【猫の恩返し】原作で描かれた裏設定とは?「猫の国」の正体は実は…。原作と映画の違いを徹底解説!(金曜ロードショー)

    スタジオジブリのアニメ映画『猫の恩返し』が、5月3日午後9時より「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で放送! 原作コミック『バロン 猫の男爵』との違いを紹介します。

    『猫の恩返し』DVDと『バロン 猫の男爵』

    『猫の恩返し』と『バロン 猫の男爵』登場人物にまつわる“違い”を紹介

    『猫の恩返し』と『バロン 猫の男爵』では、登場人物の設定や性格にもいくつか違いがあります。また、キャラクターによってはそもそも原作にいないという場合も!

    バロンに抱えられるハル(スタジオジブリ公式サイトより)

    ユキちゃん

    ユキ(画像左)とルーン(画像中央)と猫になりかけているハル(画像右)(スタジオジブリ公式サイトより)

    猫の国にさらわれそうになるハルに「猫の事務所」の存在を伝える白猫のユキちゃん。

    映画では、「幼いハルにクッキーをもらった野良猫」という設定でしたが、原作では「7、8年前まで飼っていたハルの飼い猫」として登場。原作ではムタに突っかかる場面もあるなど、映画よりは少し気が強い性格の持ち主として描かれました。

    映画では、初対面時にユキに気づかないハルですが、原作では一目で家族だったユキと気づき映画のラストシーンのような抱擁を交わします。

    ルーン

    ルーン(スタジオジブリ公式サイトより)

    猫の国の王子という設定と白猫のユキと恋仲という点は原作と映画で変わらず。

    しかし、映画ではバロンに次いで紳士然とした“王子”として申し分のない性格ですが、原作では少し間の抜けたマイペースな性格の持ち主として描かれます。

    作中で明言されていないものの、人間界に来た理由も映画版の「ユキの好きなクッキーを買いに来た」ではなく「ユキの元飼い主であるハルを探しにきた」と、ほのめかされていました。

    ちなみに、原作では“魚のクッキー”ではなく“イカでできたコップ(お猪口)”を人間界の土産としてユキにプレゼント。

    ナトリ

    ナトリ(画像中央左)と猫王(画像中央)(スタジオジブリ公式サイトより)

    猫王(ねこおう)の側近として登場する居丈高な猫。映画では猫王の忠臣として付き従いますが、なんと原作では登場しない映画オリジナルのキャラクター。

    原作では、猫王のメッセンジャーとしてハルの前に現れるナトルと同じ模様の猫が3匹いて、猫王の周囲を固めています。

    バロン

    バロン(スタジオジブリ公式サイトより)

    映画ではオレンジとクリーム色の2色の毛色に白の燕尾服ですが、原作ではグレーの毛色に黒の燕尾服といった佇まい。

    トト

    カラスのガーゴイルとして登場する「トト」ですが、原作ではカササギ。

    猫王

    映画では「ねこおう」と呼ばれていますが、原作では「みょうおう」で統一されています。

    『猫の恩返し』と『バロン 猫の男爵』ストーリーや設定の違いは?

    「ハルがルーンを助けたことで猫の国にさらわれ、バロン、ムタ、ユキの助けを得て人間界へ帰る」という大筋のストーリーは同じながら、細かい部分では『猫の恩返し』と『バロン 猫の男爵』にいくつか違いがありました。

    「猫の事務所」がある場所が違う

    不思議な街に立つハル(スタジオジブリ公式サイトより)

    ハルは、ムタに導かれた先の不思議な街で猫の事務所と対面します。原作では、ムタに導かれるまでは同じですが、辿り着くのは都会のど真ん中。バロンは、デパートのショーウィンドウに並ぶ人形として登場しました。

    原作では猫の国の「裏設定」が描かれていた

    ハルの帰還を祝う猫の国の住民たち(スタジオジブリ公式サイトより)

    映画では結局分からずじまいの猫の国の正体。原作では、明言は避けているものの、「猫の死後の世界」であると読み取れる描写がいくつかありました。

    ユキは、「死んじゃってなかったんだね」と抱きつくハルに複雑な表情を浮かべ、終盤でハルに「人の世界にいられなくなった猫の来るところ」と猫の国について述べています。

    ハル自身の回想でも「白い猫が車に轢かれた」あとにユキを探す描写があり、ユキが姿を消してしまった理由が「ユキが交通事故で死んでしまった」と推察できるでしょう。

    しかし、映画で描かれていないものの原作版のラストでは、猫の国から人間界へは手軽に行けるかと思われるようなページが描かれています。