レトロがむしろ新鮮。
1980年代前後の腕時計の復刻版から、当時のカード電卓をモチーフにしたものまで、昭和の雰囲気をまとった佇まいで個性全開。デザインセンスが光る、腕時計を3つ紹介します。
70年代後半に考えられた「未来っぽいデザイン」を復刻
このメタル感が印象的なデジタル時計「CASIO CLASSIC A1100」は、1970年代後半に発売されたモデル「52QS-14B」のデザインを完全復刻したモデル。時計のデジタル化が進み始めた70年代後半に考えられた「未来っぽいデザイン」は今見ても斬新。
フルメタルのメカメカしい8角形の縦長角型ケースは、時代を超えたいまでも色褪せず、未来感あふれるデザイン。パーツごとに光沢をなくし、つや消しを施したヘアライン仕上げと、光沢感があるミラー仕上げを使い分けた質感の高いメタルパーツが印象的です。また通常は、ケースサイドに配されるボタン類をあえてケース正面に配置することでメカニカルな雰囲気。
見た目のインパクトだけでなく、腕に装着している状態でも操作しやすいユニバーサルデザインです。
生活防水仕様でストップウォッチ、時刻アラーム、時報、オートカレンダー機能を装備。ムーブメントは電池式クオーツで、機能面でも当時のデジタルウォッチを再現。
1970年代後半は、時計のムーブメントのクオーツ化、表示のデジタル化が急速に進んだ時期。70年代後半の日本の人々がイメージする未来を描いた、正真正銘のレトロフューチャーウォッチです。
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ガジェット感たっぷりな「カリキュレーターウォッチ」
こちらは、電卓機能付きのガジェット感たっぷりのCA-500にポップなカラーリングを施した、斬新なカリキュレーターウォッチ。1976年に発売され「でんクロ」という愛称で親しまれた多目的電卓CQ-1へのオマージュで、その当時のポップなカラーリングを忠実に再現したものです。
でんクロは、起床から始まる一日の生活サイクルを考えて開発されたパーソナル電子デジタルクロックで、その後のカシオの複合開発の源流となったエポックメイキングな製品と位置づけられています。
そして、ベースとなるカリキュレーターウォッチのCA-500は、1984年登場のCA-50の復刻モデル。このレトロポップなカリキュレーターウォッチは、70年代と80年代と、ふたつの昭和の時代感をまとったモデルでもあるのです。
ガジェット感を盛り上げる16個のボタンは電卓機能。8桁の計算ができる本格的な電卓機能で、80年代当時としては超未来的なスペックだったはず。時計の機能としては、デュアルタイム、1/100秒ストップウォッチ、時刻アラーム、フルオートカレンダー機能付きです。
ちなみに、製造元のCASIOのはじまりは計算機メーカー。言うなれば、時計に計算機機能をつけたのではなく、計算機に時計機能をつけた、と言うのが正しいのかも。
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カシオで30年以上も人気のデジタルウォッチ
1988年の発売以来、一貫して当時のデザイン、機能を守り続けているカシオのデジタルウォッチA168に“クラシカルなニューカラー”が加わりました。ニューカラーは、ブラックとシルバーの2種類。どちらも同社のカード電卓「SL-800」をモチーフにしたデザインです。
SL-800は、1983年に発売されたカードサイズの電卓。電卓の小型化・薄型化を極めた製品として、国立科学博物館が主催する2013年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも収蔵されたほどの逸品です。
このSL-800のカラーリング、フォントをデザインに落とし込んだのが今回のニューモデルです。とくに、ニュアンスの異なる2つのゴールドカラーとレッドのアクセントカラーをフェイスデザインに落とし込んだシルバーモデルは秀逸。もともと時計用にデザインされたかのように違和感がありません。単なるオマージュを超えた、レトロフューチャーなデザインセンスが光ります。
機能はシンプルながら必要十分。日常生活防水、1/100秒ストップウオッチ、時刻アラーム、ELバックライトを装備します。
実はこのA168、2011年にロングライフデザインが評価され「グッドデザイン賞」を受賞。「基本機能を素直にデザイン表現した本商品は世に数多あるデジタルウォッチの原型」とスタンダードなデザインが評価されました。受賞からさらに10年以上経ったいまでも新鮮さを失わず、さらにクラシカルなカラーリングをまとうことで、レトロフューチャーな雰囲気に磨きをかけています。
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