ブロッコリーは、熟練した職人のような野菜です。とりわけ、低温でじっくり焼くローストは、タイパ抜群です。

そんな筆者ですが、最近までは高温でのロースト推しでした。なぜなら、パリッとした食感と、メイラード反応がもたらす風味を切望していたからです。

しかし、200℃以上のオーブンで加熱すると、茎が柔らかくなる前にふわふわの部分が焦げてしまうことが多々ありました。

そんな折、Food52の膨大なブロッコリー解説記事を読んでいて、この解決策を発見しました。

ブロッコリーのフライドポテト

その記事には、じっくりローストすると、茎の柔らかい部分には「味が凝縮され、部分的にフライドポテトのようにカリカリになる」と書かれていたのです。

ブロッコリーのフライドポテトという未知のコンセプトに、筆者は興奮を覚えずにはいられませんでした。

作り方

さっそくブロッコリーを房に分け、オリーブオイルをたっぷり(大さじ3杯程度)かけ、塩(小さじ4分の1強)をまんべんなく振り、焼き網に載せて、160℃に温めたオーブンに入れました。

待つこと45分。ふと気がつくと、キッチンに立ったまま、天板から直接、半量のブロッコリーを食べていました。それほどに、最高だったのです。

(注意:筆者のオーブンはコンベクションオーブンのため、短めの時間で済みました。従来型のオーブンを使用する場合、1時間くらいは見たほうがいいかもしれません。でも、待つだけの価値はありますよ)

味や食感は?

フライドポテトは言い過ぎかもしれませんが、Food52に記されていた「凝縮された風味とカリっとした食感」は、冗談ではありませんでした。

じっくりローストした結果、両端にきれいな焼き色が付き、柔らかいのにカリカリの食感を持つ、深い味わいのブロッコリーに仕上がっていたのです。

そのほか、失敗しないブロッコリーの焼き方

ブロッコリーをローストするときのコツは、低温でじっくり焼く以外に3つほどあります。

まず、焼き網を使って天板から浮かせること。房周辺の空気の流れが増すとともに、加熱された野菜から流れ出た水分が下に落ち、べちゃべちゃになるのを防ぎます。

次に、オリーブオイルは少し多すぎると思うくらいかけてください。きっちり分量を測るよりも、房の部分がオイルで「濡れている」状態が適切です。これで焼き色のついたカリカリの部分が増え、それにより風味が増すのです。

最後に、房に分けるときは、だいたい同じ大きさになるように心がけてください。

均等に火を通すことが目的です。とはいえ、焦げ目のついたカリカリの部分とジューシーな茎の両方を楽しみたいなら、大きさには多少バリエーションがあったほうがいいでしょう。

確かにブロッコリーは職人肌かもしれませんが、職人だってときには興奮が必要なのです。

――2023年4月23日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

翻訳: 堀込泰三

Source: Food52